No,120 UY-238 / 38 シングル ステレオアンプ
今回使用した UY-238(38) という球は、1930年頃に米国の標準管における
傍熱・純5極パワー管として一番最初に開発されたもので、傍熱多極パワー管の元祖ともいうべき真空管です。
ナス管は 112A や 171A より小型のバルブですが、これでも当時の最大定格で2W近く取れる優れものです。
30年代の米国製小型ラジオなどには良く使われたようですが、
後の 42 や 6V6 の出現で姿を消した貴重な真空管です。
このUY-238を用いてミニワットながら魅力の詰まったアンプを製作いたしました。
なお、下の説明では UY-238 は 38 として説明させていただきます。
No.110と同様のレイアウトで、ウッドシャーシはアッシュ(タモ)の無垢材・淡黄色のクリアー仕上げです。
当方おすすめのアーミーグリーン縮みのトランスが一層渋さを引き立てています。
真ん中の小さなナス管が 出力管 38 で、前段は6AU6、整流管は 80 ナス管です。
今回使用した 38 は大変貴重なメッシュプレート品で、PHILCOブランドのSYLVANIA製です。
ほかにブラックプレートのRCAなどもありますので、差し替えて雰囲気を楽しめます。
入力はRCA端子、出力はバナナプラグ対応で4、8、16Ωに対応しています。
ACコンセントは小型のメタルコンです。
(内部配線写真)
回路は整流管を使用した本格的なチョークインプット方式を採用して、音質の向上に努めました。
増幅部は6AU6、38 とも標準5極管接続で、最も素直な特性に仕上げました。
部品点数は少ないですが、後のメンテナンスのしやすさも考慮して、
端子板を使用した耐久性のある配線方法を採用しました。
38、80 を40年代のST管に差し替えた写真です。
38 のST管は当然ながらナス管よりタフな設計で、見栄えも良好です。
このアンプの回路図(配布用)です。
(写真をクリックすると拡大します)
Manufactured by Eightric Transformers, Nagoya, Japan.
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